レジャー用や防災用のライトを購入する際に今や定番となっている「LED」。そんなライトですが近年「COB」と言う言葉を耳にするようになりました。
「COBって何?」「LEDと違うの?」「どっちが明るいの?」等、今まで何となく「便利そう」「安いから」などの理由で選んでいる照明(ライト)について、その違いやメリット・デメリットなどをこちらでは分かりやすく解説していきます。
目次
「LED」って何?
今やライト業界の定番となっているLEDとはLight Emitting Diodeの略称です。光る半導体のことで、いわゆる発光ダイオードと呼ばれるものになります。このLEDが誕生する前の照明は1880年ごろに皆さんもご存じのトーマス・エジソンが発明した白熱電球に始まり、1930年代には蛍光ランプ(蛍光灯)が誕生し1990年代まで活躍してきました。その後に誕生したのがLED。元々は赤や橙、黄緑のLEDが1960年代以降に発明・実用化され、様々な場所で活躍していましたが、白色にならないという点で照明などに使えず一般的には使用されてきませんでした。しかし1990年代に白色に光るLEDが開発され、住宅照明に使えるということで普及し始めました。特に2011年の東日本大震災以降は防災の観点から節電意識が高まり、省エネ効果が高いLED照明は一般家庭で一気に広がりました。
LEDの特徴
そんなLEDの何がすごいのか。その特徴としてまず長寿命、省電力の2つが挙げられます。
長寿命
白熱電球の場合、1000~2000時間の寿命と言われ、1日8時間点灯させた場合、125~250日で交換しなければいけませんでした。それに対してLEDはなんと40000~50000時間の寿命と言われ、1日8時間点灯させた場合13~17年は使用可能ということになります。電球自体の商品単価は高くなりますが商品寿命からコストパフォーマンスを計算するとかなりお得な照明と言えるでしょう。この点が格段に向上しました。
省電力
これまで電球型の蛍光灯を使用していたものをLEDにするだけで約34%もの消費電力の削減になるとされています。家庭の電気代で考えてみると大幅に電気代を節約することが出来ますね。
そしてこのほかに水銀が出ないことや点灯するまでの時間が短いことなど、一昔前では当たり前だったことが21世紀に入り大幅に改善されました。
そんな今や定番化しているLEDですが、近年アウトドアや防災用のライトを見てみると【COBタイプ】【COBライト】等と記載している商品を見かけるようになりました。ではこのCOBとは一体何なのでしょうか。
そもそもLEDにはどんな種類があるの?
街中で見かける信号機やイルミネーション、日用品だと自転車のライトに携帯電話やパソコン、オーディオ機器など、普段何気なく目にするものに多く採用されているLED。厳密には「LED素子」のことを言います。そしてこの「LED素子」には【砲弾型】【COB】【SMD(表面実装型)】と呼ばれる3種類が現在存在しており、その中の一つが【COB】になります。
1990年代にLEDが誕生して普及したのが【砲弾型】というものになります。その名の通り、砲弾のような形状をしていて一般的にLED照明の形状として最も代表的なものになります。そしてこの【砲弾型】を薄いチップ型にしたことで誕生したのが【SMD(表面実装型)】と呼ばれるタイプになります。小さな面積に多数のLEDを装着できるようになり、従来の【砲弾型】より光量もアップしました。 こちらは室内のシーリングライトなどやカーグッズなど様々な場所で使用されています。そして開発が進むにつれ、近年登場してきたのが今回解説する【COB】というタイプのLEDになります。LEDは現在この【砲弾型】【SMD】【COB】の3種類に大きく分類されています。
そしてこの中でも防災やレジャー向けのライトなどに流行りはじめているのが【COB】になります。
ではこの【COB】のLEDはこれまでのLEDと何が違うのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
【砲弾型】と【COB】の違いは?
砲弾型とは
最もポピュラーで、LEDが誕生した際はこの【砲弾型】=『LED』とされていました。
【砲弾型】は、その名の通り光る部分が砲弾のような形をしたLEDで、LED照明の形状においては代表的なものです。アノード(プラス)とカソード(マイナス)の2端子を持ち、表面のドーム型モールドの中に、半導体であるダイオードを端子に固定して光源として格納しています。
なお、通常の【砲弾型】が「2端子型」なのに対し、4端子の砲弾型が『フラックス(Flux)』と呼ばれ、バリエーションとして存在します。フラックスは流せる電流量が「2端子型」と比べ、2~3倍と多いため、照射範囲も広くより明るさを必要とする照明に用いることが可能です。しかしレンズや端子が多い分、サイズも大きくなり使用できる場所が限られるのがデメリットと言えます。
COBとは
【COB】とは「Chip on board(チップオンボード)」の略称です。
【COB】が世に出始めたのが2016年ということでLEDの中で最も新しいLEDの種類になります。
構造はChip On Board(チップオンボード)という名の通り、基板(Board)の上にLEDのチップが直接載っています。
【COB】は、通常9個以上のLEDチップを1つのボードに密集させたマルチチップのLEDのことを言い、特徴を簡単に言ってしまうと【砲弾型】が点で発光するのに対し【COB】は面で発光させます。この特徴からなんとなく「COBの方が明るそう」と想像できるのではないでしょうか。
【砲弾型】と【COB】のメリット&デメリット
【砲弾型】のメリット
・コストが安い
他のLEDに比べ歴史が古く普及率も高いため製造原価も安く、3種類の中で比較的安価で手に入れることが出来るのが最大のメリットです。
・使用用途が多い
一つ一つが小さいので、アーチ状(曲線)を用いた照明や狭い場所への実装に向いています。明るさよりもデザイン性を重視したライトとして使用するのに最適で、クリスマスなどのイルミネーションやサインディスプレイ、アミューズメント機器、またウィンカーやバックライトなどのカー用品としても使用されています。
【砲弾型】のデメリット
・高輝度を出しにくい
光が広がらない性質のため高輝度を出すには不向きです。明るさを重視する場所や広範囲を照らすライトとしては弱いと言えます。
・紫外線や熱に弱い
砲弾型はエポキシ樹脂を使用しており、紫外線と熱にあまり強くないとされています。そのため紫外線と熱による劣化により、使用を続けることで他のLEDに比べ耐久性や明るさが劣るという面があります。
【COB】のメリット
・広範囲に照射が可能
ボードにLEDチップを密集させ、光源部分を『面』にしていることで照射の範囲が非常に広範囲になります。
光源のサイズが大きくなるほど広範囲に光が届きやすくなります。そのため広範囲を照らすランタン型のライトや手元をしっかり照らしたい暗所での作業用ワークライトなどに適しています。
・放熱性能が高いため高出力の光が出せる
COB は1つのCOBの中にLEDチップが複数個入っています。
例えば、同じ明るさ(ルーメン)の砲弾型タイプののLEDライトとCOBタイプのLEDライトがあった場合、複数のLEDチップがまとまっているCOBタイプの方が出力がしやすくなります。
また、LEDチップの特徴として高出力になるほど熱が発生します。その熱をどうやって放出するのかが安全上重要になります。COB のLEDチップは放熱性能の高いアルミ基板へ直接張り付けられているため、LEDチップから発生される熱を放出しやすい構造になっています。そのためこれまでより高出力の光の照射が可能になりました。
・多重影ができにくく目の疲れが軽減
砲弾型やもう一種のSMDタイプなどは明るさを出そうとすると細かいLEDを複数搭載させるため明るさはあるかもしれませんが、そのLEDの数だけ光源があるので影が複数発生して多重影ができます。そのため視界が見えづらく、長時間の作業を行った場合、目の疲れなどにより作業効率の低下や事故につながります。
一方でCOB は、1つの大きな面が光源として発光するため、多重影が発生しづらく、長時間作業をする場合などにも最適です。
【COB】のデメリット
・コストが高い
デメリットは何と言っても製造時の手間が多く、砲弾型と比べて普及率が低いためコストが高くなります。今後の普及状況によっては価格の低下もあるかもしれません。
・遠距離への照射に不向き
広範囲に高出力の明るさが可能である代わりに遠距離への照射には不向きとされています。
・色のバリエーションが少ない
まだまだ発展途上ということもあり、色のバリエーションが少ないのも欠点です。そのため照明用以外の用途はほとんどありません。
おすすめのCOBライト
お出かけの防犯に最適!鞄などに携帯しやすいコンパクトCOBライト
自宅に常備!2WAY機能性COBライト
アウトドアにもおすすめランタン型COBライト
まとめ
今回の記事ではLEDの種類と、その中から【砲弾型】と【COB】について比較をしてみました。どちらにもメリット・デメリットがあり、ライトを選ぶ際は用途やコストなどで求めるものが変わってくると言えそうです。ランタン型やワークライトなどハンディタイプのライトにおいては【COB】タイプにたくさんのメリットがあると言えそうです。また、【砲弾型】と【COB】の両方を備えて良いとこどりした2WAYタイプのライトなど高機能ライトの商品も販促品業界では普及しつつあります。防災用品やレジャーグッズに一度検討してみてはいかがでしょう。
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