大手コーヒーショップや、雑貨屋さんでよく見かける「タンブラー」や「マグ」「マイボトル」。近年では自宅だけでなく、オフィスでも使用している方が多いと思います。
そこで、気になるのは「どの程度、保冷保温機能があるのか?」ということ。実は「保冷保温構造」には4種類あり、素材の違いや構造の違いによって機能や効果が異なります。
ここでは定番のステンレス製タンブラーを中心に「保冷保温機能」の仕組みや構造について解説していきます。
目次
まずはじめに「タンブラー」とは…
「タンブラー」とは英語で「タンブラーグラス」というガラス製のコップのことを指します。
しかし、現在の日本では、蓋の有無に関わらず「こぼれにくい」「ある程度保温性を持った容器」のことを「タンブラー」と呼んでいます。
コップやグラスとの違いは?
「グラス」はガラス製のもので取っ手のついていないもの、と言われています。熱いものを入れると割れてしまう場合があるため、基本的に冷たいものを入れることが多いです。
また、取っ手の有無に関わらず、飲み物を入れる容器全般を「コップ」と呼んでいます。
つまりタンブラーはグラスとは異なり、冷たいものだけでなく温かいものも入れることができ、コップよりも保存や持ち運びがしやすい、いいとこ取りの容器ということになります。
タンブラーの種類
「タンブラー」と一言で言っても、様々な素材や種類があります。ここでは定番の4種をご紹介します。
1.ステンレス製【一番人気&定番!】
タンブラーの中で最も人気なのが「ステンレス製」のタンブラーです。
【特徴とメリット】
- 製造のコストが安い
- 加工がしやすい
- 保冷保温性が高い
- 結露を防ぐので水滴が付きづらい
- 強度が高いので長持ちする
- 口当たりが良い
「タンブラーの種類が多すぎて迷う!」という場合には、ステンレス製のタンブラーがおすすめです。
2.プラスチック製【お子さま用におすすめ】
価格が安く軽量。更にかわいいデザインの物が多いのでお子さま用にご検討されている方にイチオシです。
【メリット】
- 軽量
- 価格が安い
- 加工がしやすい
【デメリット】
- 保温効果が低い
- 強度が低い
3.銅製【贈り物用に最適】
高級感があるので、贈り物として使われる機会が多いタンブラーです。また、銅には抗菌効果があり、雑菌の繁殖を抑えてくれるので、衛生的に使うことができます。
熱を通しやすいので、熱いものを入れるとタンブラー自体も高温になってしまうため注意が必要です。保温性は低いので冷たいもの専用になります。
4.ガラス製【ご自宅用に人気】
熱や衝撃で割れる恐れがあるので、主にご自宅用として使われています。ある程度、保冷保温効果を期待できる二重構造の「ダブルウォールグラス」もあり、電子レンジ対応もあるので使い勝手のよいタンブラーです。プレゼント用や、おしゃれなガラス製のタンブラーでお酒を飲みたい女性に人気があります。
5.その他
タンブラーの素材には他にも、紙、陶磁器、錫(スズ)、チタン、漆器、アルミ、銀、金などもあります。中でも錫や銀、金製タンブラーは、ギフト向けのものが多い印象です。また、蓋付きや取っ手付きのものもあるので、シーンに合わせて選べるのも魅力的です。
続いて、定番の「ステンレス製」「プラスチック製」を中心に構造について解説していきす。
「真空断熱構造」とは
真空断熱構造のタンブラーでは、本体の内側と外側が二層構造になっており、外壁と内壁の間が真空になっている状態です。
通常、タンブラー側面の内と外とで温度差があるため、温度の高い方から低い方へ熱が移動し、飲み物が温まったり冷めたりします。
熱は物体を介して伝わるため、真空状態であることで熱伝導を防ぎ、その結果、飲み物の温度が変わりにくい、という仕組みになっています。
人工的に完全な真空を作ることは不可能なので、通常よりも低い気圧の状態であれば「真空」と呼ばれています。
ステンレス製は熱を通しにくい
「金属は熱を通しやすい」というように、この温度の変わりやすさは素材の性質によって異なります。また、金属ごとに熱の通しやすさは異なり、中でもステンレスは熱を通しにくい素材として知られています。
ステンレスの真空断熱構造タンブラーは熱を通しにくいため保冷保温に優れているので、タンブラーの外側に触れても熱くなく、火傷を防ぐ効果もあります。
また、結露を抑える効果もあるため、水滴でデスク周りが濡れる心配もありません。
【真空断熱構造のメリット】
- 保冷保温に優れている
- 温度が変化しにくいので氷が溶けにくい
- 結露を防ぐ効果がある
- 水滴ができにくい
- 熱を通しにくく、外側が熱くならない(火傷しにくい)
4種の「保冷保温構造」について
「保冷保温機能」の構造には大きく分けて4種類あります。ここでは代表的な4種の構造を解説していきます。
1:ステンレス製真空二重構造(サーモタイプ)
ステンレス製真空二重構造のタンブラーは本体の内側と外側が二重構造になっており、二重壁の間を高真空状態にすることで熱の移動を防ぐ仕組みになっています。
熱は温度の高い方から低い方へ、物体を介して移動する性質を持っているので、真空状態では熱を伝える気体分子がほとんどないため、放熱を防ぐ効果があります。
そのため、温かい飲み物は熱が逃げるのを防ぎ、冷たい飲み物であれば熱が内側へ伝わるのを防ぐので、保冷保温効果が高く長時間適温を保ちます。
また、手で持った時に熱くない、結露しない、というところも魅力のひとつです。
2:プラスチック製断熱二重構造
プラスチック製断熱二重構造は、真空構造と同じく本体の内側と外側が二重構造になっており、内壁と外壁の間に放熱を防ぐ断熱材が入っている作りになっています。
軽量の断熱材を使用しているため、タンブラーの重量に大きく影響せず、保冷保温効果を高めることができます。
軽量で落としても壊れにくいので、お子様にもおすすめの商品です。また、ステンレス製の二重構造タンブラーよりもお手頃価格の商品が多いのも魅力です。
3:ステンレス製二重構造(中空断熱構造)
こちらも真空構造と同じく、本体の内側と外側を二重構造の作りになっています。ステンレス製二重構造(中空断熱構造)は、タンブラーだけでなく水筒やマグボトルなど、さまざまな容器に利用されています。
二重壁の間に空気が残っている状態で、真空構造ではないため、真空断熱構造に比べると保温効果はやや劣ります。価格も真空構造に比べると比較的安価なので手に取りやすい商品が多いのが特徴です。
4:プラスチック製二重構造(中空断熱構造)
本体の外側と内側を二重構造にして、二重壁の間を中空にしたプラスチック製のタンブラーです。
プラスチック製断熱材入りの二重構造、ステンレス製二重構造に比べると最も保冷保温機能は低くなりますが、気軽に購入できる安い価格のものが多いところが魅力です。
保冷保温効果は劣りますが、通常のグラスやコップに比べると保温性が高いので、冷えた飲み物を入れた際に結露を防ぐ効果があります。
プラスチックならではの透明感やマットな質感を活かせるため、デザイン性に富んだ商品も多いところが特徴のひとつです。
「一層構造」「二重構造」「真空断熱構造」「魔法瓶」の違いは?
「魔法瓶」という言葉を耳にしたことがあるかと思いますが、「真空構造と魔法瓶はどう違うの?」と疑問を感じる方も多いのではないでしょうか?これらの構造の違いについて、まとめて解説していきます。
一層構造
通常のグラスやコップと同じイメージ。二重構造や真空構造と異なり、保冷保温効果は期待できません。
二重構造のように外壁と内壁が存在しないため空間がなく、熱が外側まで伝わります。熱いものを入れると外側まで高温になり、冷たいものをいれると結露し、水滴ができます。
二重構造
本体の内側と外側が二重構造になっており、二重壁の間に空間のある構造のこと。
外壁と内壁の間が「真空ではない」場合もあります。二重構造にすることで、保冷保温効果は高まり熱の移動を抑えることになりますが、真空断熱構造と比べると、保冷保温効果はかなり劣ります。
真空構造
本体の内側と外側が二重構造になっており、二重壁の間を高真空状態にすることで熱の移動を防ぎ、保冷保温性を高めた構造のこと。
魔法瓶
二重構造や真空断熱構造によって、長時間の保冷保温機能を高めた容器全般を指します。つまり、真空断熱ではない容器も二重構造であれば「魔法瓶」ということになります。
魔法瓶は、据え置き用のポット型と持ち運び用の水筒型、お弁当箱やスープポットなどさまざまなものに利用されています。さらに保温用熱源が付属されいるものもあります。
真空断熱構造ではない二重構造タンブラーもあるので、保冷保温機能を重視される方は注意が必要です。
真空断熱構造ではない場合、「真空」という言葉を使わず「中空断熱構造」「断熱構造」「断熱二重構造」と記載されているので、パッケージの表記で区別しましょう。
真空の場合は「真空」とだけ記載されることがほとんどです。
これらを意識しておくと自分に合ったタンブラーを選びやすくなります。
保冷保温・構造別 商品ラインナップ
弊社で取り扱っているタンブラーを構造別にご紹介します。
真空構造タンブラー
二重構造タンブラー
一層構造タンブラー
まとめ
今回は「タンブラー」や「マグ」「ボトル」の、素材や構造別の保冷保温効果の仕組みについて解説いたしましたが、いかがでしたでしょうか?
たくさん種類があるので、自分がよく飲むドリンクや、シチュエーションに合ったタンブラーを探してみてください。
真空の度合いもさまざまなので、用途に合わせて選ぶのも楽しいかもしれませんね。お気に入りのタンブラーを選ぶ参考になれば幸いです。
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