市販品としてもノベルティグッズとしても近年周知されてきているのがタンブラー。SDGsやプラスチックごみの削減などエコへの関心が高まり、2022年4月からは「プラスチック資源循環の新法」が施行されています。そうした流れに伴い、マイボトル、マイコップとして使用できるタンブラーは例年に増して需要が増えてきています。
タンブラーと一言でいってもその種類は様々。樹脂製の安価で軽量の物やステンレス製の真空二層構造で保冷・保温の効果が高いもの、フタ付きで飲み口の開閉ができるものなど多種多様なタイプがあり、それぞれにメリットとデメリットがあります。販促担当者がタンブラーを飲料のキャンペーンで販促品として使用する時にそうした知識がなかったがゆえに、その飲料の特性とタンブラーの特性が合致していないと大変なことになります。
良い点も多いタンブラーですが思わぬ破損や事故に繋がるデメリットもあります。ここではそうしたタンブラーの様々な特性について紹介していきます。
目次
炭酸飲料をタンブラーに入れてはいけない?
よくこうした注意喚起を耳にします。しかしこれは半分正解ですが少し説明不足です。
必ずしも炭酸飲料をタンブラーに入れてはいけないわけではなく、『密閉する(フタをする)タイプのタンブラーに炭酸飲料を入れてはいけない』が正解です。
フタをするタイプのタンブラーに炭酸を入れて密閉してしまうと内部気圧の変化によって強い圧力が掛かってしまい、フタが開かなくなったり、フタが突然外れる、又は中身の炭酸飲料がこぼれたり、最悪の場合、ボトルが破裂し壊れたりケガをしてしまう可能性があります。タンブラーだけでなくボトルなどもフタの付いたものに関しては同様に炭酸飲料を入れるのは控えた方が良いでしょう。
密閉性の低いフタなど、仕様によって必ずしもではないですが、硬質で気密性も高いとされるフタ付きのステンレス製タンブラーなどに入れるのは特に避けたいところです。
材質や仕様によっては入れても問題ない商品も存在しますので必ず確認をしてください。
コンビニなどで市販されているペットボトルや缶に入った炭酸飲料は容器が気圧の変化に対応できるように専用のつくりになっています。ミネラルウォーターやコーヒー用のペットボトル等は炭酸飲料を入れるために作られていないので入れ替える場合などは注意が必要です。
タンブラーのフタが開かなくなった場合は?
万が一タンブラーに炭酸飲料を入れてフタをしてしまい、開かなくなってしまった場合はタンブラーを冷蔵庫に入れたり、氷水につけるなどの方法でゆっくりとボトルの温度を下げるとボトルの気圧も下がるので、内部気圧を下げてからフタを開けるようにしてください。
炭酸飲料のほかに密閉するタンブラーに入れてはいけない飲料は?
炭酸飲料以外でも密閉するタンブラーに入れるのに適していない飲料があります。
それは牛乳や乳飲料です。時間が経過し変質した場合にガスが発生して、フタが開かなくなるケースや中身が噴き出すケースがあります。また、パッキン部分などの細かい隙間部分に入り込んでしまい、洗浄を怠ってしまうと時間の経過とともに悪臭の原因にもなるので注意が必要です。
フタのないタンブラーなら何を入れても大丈夫?
フタ付きのタンブラーに炭酸飲料を入れてはいけないというのは分かりました。ではフタのないタイプのタンブラーには何を入れても大丈夫なのでしょうか?フタのないタンブラーでも使用に不適切な飲料もありますのでここで確認しましょう。
耐熱温度に耐えられない飲料
まず材質や材質の耐熱温度によっては熱い飲み物を入れられない物もあります。金属一層タイプのタンブラーに高温の飲料を入れて持とうとするとやけどをする恐れがあります。必ずパッケージや取扱説明書に記載されている耐熱温度の確認が必要です。
酸や塩分を含んだ飲料(金属製のタンブラー)
金属製のタンブラーは材質の特徴上、酸や塩分によって腐食する恐れがあります。
ステンレス製だけでなくアルミ製のタンブラーも同様に酸や塩分を含む飲料を入れるのはNGとされています。もちろん酸や塩分の量にもよるのですぐに錆びてしまうというわけではないですが、酸を含む飲料や塩分を含む飲料を入れて放置すると、場合によっては錆びや腐食につながる場合があるので十分に注意が必要です。タンブラー使用後に洗い物としてほかの食器と一緒に放置。その時にほかの食器の塩分がタンブラーに付着したまま長時間放置される…といったことがないようにしましょう。
ステンレスって錆びないんじゃないの?
一般的にステンレスは錆にくいとされていて「鉄は錆びるけどステンレスなら大丈夫」と思ってる方も多いかもしれません。しかしあくまでも「錆びにくい」だけで「錆びない」わけではありません。ステンレスの特性として『不動態皮膜』という膜で表面が覆われており、この膜のおかげで空気中の成分だけではステンレスが錆びることはほとんどありません。しかし、酸の成分にはその不動態皮膜を破壊する性質がありそこから腐食が広がっていく場合があるのです。
もしタンブラー内部が酸の影響で腐食してしまい、そのことを知らずに錆びの入った飲料を飲んでしまうと、人によっては金属中毒を引き起こしてしまう可能性もありますので十分に注意が必要です。
また健康被害だけでなく腐食すると穴が空く可能性も考えられ、そうすると保温・保冷効力が損なわれてしまうといった機能の低下にもつながるのです。
酸や塩分を含む飲み物とは?
では酸や塩分を含む飲み物とはどういったものがあるのでしょう。
酸を含む飲料の代表例はスポーツ飲料。スポーツ飲料は塩分も含んだ酸性の飲み物になります。暑い時期に冷やしたスポーツ飲料を金属製のタンブラーやボトルに入れたくなりますが、控えた方が良いでしょう。また、果汁入りのジュース類も酸性度が高い飲料です。特にオレンジジュースやレモンジュース、グレープフルーツジュースなどは酸性度が高いため、ステンレス製タンブラーに入れることには細心の注意が必要です。その他にもお酢を使った黒酢ドリンクなど酢の入った飲料、そして乳酸菌飲料も酸性の飲み物になりますので注意しましょう。
タンブラーに入れることは少ないかもしれませんが、スープやみそ汁などの塩の入った料理も同様に長時間入れた状態で放置すると腐食の恐れはあります。そうしたことにならないよう各社が注意喚起を行っていますので必ず取扱説明書をしっかり確認してください。また近年はフッ素加工などのコーティングによってそうした成分にも対応したタンブラーも発売されています。
もし酸性の飲み物や塩分の入った飲み物を入れる場合はステンレスやアルミなどの金属製ではなく樹脂製のものやガラス製のものなどの使用をおすすめします。
販促品におすすめタンブラー
フタのないシンプルなタンブラー
フタ付き(飲み口有り)タンブラー
まとめ
何となく聞いたことがある「タンブラーに炭酸飲料を入れてはいけない」という知識について理解して頂けたのではないでしょうか。
そして炭酸飲料だけではなく、タンブラーと相性が良くない飲料についてもご紹介いたしました。『フタ付きタンブラー』『金属製タンブラー』どちらも機能性に優れ、販促品やノベルティグッズとしてとても人気がありますが、入れる飲料の成分や特性によってはタンブラー製品の破損や使用する人の健康被害などのトラブルになる可能性もあるので十分注意が必要です。
しかし、その特性を知ったうえでルールを守って使えば周年記念やイベントの粗品など、とても幅広く使ってもらえる魅力的な商品なのがタンブラーです。販促担当者は必ず商品の取扱説明書や注意喚起をよく読み製品の特性を理解したうえで使用しましょう。
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