「サステナブル」という言葉を最近耳にするようになりました。Sustainable、直訳すると「持続可能な」という意味を持つこの言葉は、いまや個人だけではなく企業や国レベルでも意識していく必要のある重要なキーワードとなっています。
本記事ではこの「サステナブル」とは何か?を改めて解説させていただくとともに、なぜ注目されているのか、またSDGsにも関係するこのキーワードが、ノベルティなど販促活動においても意識する必要があるのか、などをご紹介させていただきます。
目次
サステナブルとは?
「サステナブル」という言葉は、1987年に開かれた国連「環境と開発に関する世界委員会」で公表された報告書「Our Common Future」の中心的な考え方として取り上げられたのをきっかけとし、その後の2015年の国連サミットにて採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」で大きく広まりました。昨今様々なところで耳にするようになった「SDGs」という言葉もこのアジェンダに記載されたものです。
サステナブルの意味
冒頭でも書いた通り、「サステナブル」とは「持続可能な」という意味になり、環境に負荷をかけないような方法で、資源を長期間維持し続けながら利用していくことを指します。
さて、このような意味を聞いたところで、サステナブルと同じような意味合いの言葉が頭に浮かんでいる方もいるのではないでしょうか。代表的なところで言うと「エコ」「LOHAS」「3R」「ゼロエミッション」という言葉があります。
エコ
「エコロジー」を略した和製英語。狭い意味では生態学のことを指すが、広くは文化・社会・経済に対して「地球に優しい」「環境に配慮している」活動や技術、思想のことを指す。
LOHAS(ロハス)
「Lifestyles of Health and Sustainability」の頭文字をとった略語で、直訳すると「健康的で持続可能な生活様式」という意味。明確な定義はないものの、目先の利益よりも遠い未来の地球を考えた、心身を豊かに保ち環境や持続可能な社会を目指す考え方を指す。
3R(スリーアール)
Reduce(リデュース:製品を作る際に資源の量や廃棄物の発生を少なくし、また製品寿命を延長する工夫)、Reuse(リユース:使用済みの製品や部品等を繰り返し使用すること)、Recycle(リサイクル:廃棄物などを材料やエネルギー源として再び有効利用すること)の頭文字にRのつく3つの取り組みの総称。
ゼロエミッション
排出(エミッション)をゼロにする、つまり社会や経済自体のシステムによって廃棄物そのものを無くす仕組みを作り、自然界に廃棄物を排出しないことを目指す概念。
いずれも目指している方向性は同じとなりますが、「サステナブル」はより全体を包み込んでいる言葉といえるでしょう。
サステナブルな社会を実現するには
サステナブルな社会とは「持続可能な社会」を意味します。つまり「地球や自然環境を大切に保ち続け」「無駄な資源利用を極力減らし」「現在に必要な開発を進めていく」社会ということになります。
しかし現実に目を向けると、世界は自然環境の破壊による気候変動、国の違いによる教育・健康貧困・労働環境の格差など様々な問題を抱えており、これらの問題を解決しないままではサステナブルな社会の実現のみならず地球環境そのものが危うくなる可能性があります。そこで上記でご紹介した「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて「SDGs(エスディージーズ)」という国際目標が設定されました。
SDGsにもつながるサステナブル
サステナブルについて考えると、昨今話題の「SDGs」という単語に必ず行き当たります。この「SDGs」とは一体どのようなものなのでしょうか?
SDGsとは?
SDGsとは「Sustainable Development Goals」の頭文字をとった略称であり、「持続可能な開発目標」を意味しています。SDGsの「S」はサステナブルのSです。2016年から2030年までに達成すべき17の目標と169のターゲットがあり、17の目標については下記の通りとなります。
本記事ではこの17の目標の内、販促品・ノベルティに深く関連する「目標12:つくる責任つかう責任」と「目標14:海の豊かさを守ろう」の2点について掘り下げてご紹介しようと思います。
目標12:つくる責任つかう責任
「持続可能な生産消費形態を確保する」ことを目的に11項目のターゲットで構成されています。少ない資源で良質な製品をより多く生産・消費する形を目標としています。そのためには廃棄物の発生を極力なくした生産工程(リデュース)や、使用する側もゴミをなるべく発生させない取り組み(リユース・リサイクル)が強く求められています。
目標14:海の豊かさを守ろう
「持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する」ことを目的に10項目のターゲットで構成されています。度を過ぎた漁業の乱獲による水産資源の大幅な減少を止めるのが主目的ではあるのですが、それだけではなくプラスチックなどの海洋ゴミ削減も大きな目標となっています。このことから生態系全体へ悪影響を及ぼす海中のマイクロプラスチックによる被害を抑えるため、プラスチックの使用や廃棄を減らす取り組みが強く求められています。
SDGsに対する日本の現状
日本政府ももちろんSDGsの採択後、2016年5月より全閣僚を構成員とする「SDGs推進本部」を設置し、国内実施・国際協力のもとSDGsに率先して取り組んでいます。
ですが、ドイツ最大の財団ベルテルスマン財団とSDSN(持続可能な開発ソリューション・ネットワークが発行した「SDG Index and Dashboards Report(各国のSDGs達成状況を分析したレポート)」の2021年版によると193か国中、日本は18位とのことでした。
2030年までにSDGsで示されている目標を達成するには、さらに多くの企業や団体の意識向上とこれまで以上の努力が必要になりそうです。
サステナブルなノベルティを使うメリット
SDGsの目標達成に取り組むには、企業の販促活動にも当然サステナブルな視点を取り入れなくてはなりません。ですがサステナブルな視点を取り入れた販促活動は、その企業の営利に繋がる販売促進となるのでしょうか?
SDGsへの関心が高い「ミレニアル世代」への販促
ミレニアル世代とは1980~1995年の間に生まれた世代とされています。この世代の特徴はデジタルの台頭とともに育ちITへの高い関心と慣れがあるとともに、地球環境への問題意識や社会貢献に対して強い関心を持つ世代となります。近い将来この世代が経済を支える中核となるため、ミレニアル世代への好感度が高くなると思われるSDGsを意識した販促活動を行うことは、企業にとっても中長期的なメリットが生まれる可能性を持ちます。
企業のイメージ・ブランド力の向上につながる
現在SDGsへの取り組みは大手企業が中心となり様々なビジネス展開を率先して広げています。もちろんその多くはグローバル展開をしている大企業ならではの施策ではあるのですが、中小企業でもすぐに取り組めるSDGsへの施策があります。それがサステナブルな視点を取り入れた販促品・ノベルティを販促活動で使用することです。
イベントでの配布物や記念品をお渡しする機会に、サステナブルな取り組みに対して前向きな意識を感じられるアイテムを使用してみませんか。ミレニアル世代を中心とした社会貢献や環境配慮に高い関心を持つ一般消費者からの好感度アップ、またSDGsに取り組む他企業との新しいビジネスへのきっかけにもなり、企業イメージ・企業ブランドの向上がより高まる可能性が大きいです。
サステナブルなノベルティをつくるには?
それではサステナブルなノベルティとはどのようなものになるでしょうか。
ポイントは「エシカル消費」
「エシカル」という言葉を耳にしたことはないでしょうか。エシカル(ethical)とは直訳すると「倫理的な」という意味を持ち、法律ではなく皆さんが社会的に「正しい」と思えるコトを指します。そこから「人や地球環境・社会や地域に配慮した考え方や行動」を意味するようになりました。ですので「エシカル消費」とは「環境や社会に配慮したモノやサービスの提供」となります。
文字にすると何やら難しく聞こえてしまいますが、簡単にまとめると「よりよい未来をめざしている」と感じられる消費行動、となります。本記事では具体的にどのようなアイテムを販促活動で使うと「エシカル消費」につながる「サステナブルなノベルティ」だと思ってもらえるのかをご紹介したいと思います。
プラスチックごみの削減には「エコバッグ」
2020年7月よりレジ袋の有料化が始まったのは記憶に新しい所です。レジ袋はプラスチックを原料としたものが多く、レジ袋が大量に生産されればプラスチックの由来となる石油資源を大量に消費することに繋がります。またごみとして焼却されれば二酸化炭素が発生し、地球温暖化にも繋がる要因ともなります。また不法投棄による海などへの汚染も大きな問題として取り上げられています。
エコバッグをノベルティとして使うことは、日常でレジ袋の使用を控えるという行為を促すことにもなり、サステナブルな販促品の配布として認知されることになります。
ペットボトルの削減には「ステンレスボトル」
レジ袋と同じくプラスチックを原料とし、便利さゆえに大量消費され続けているものの一つにペットボトルがあります。レジ袋と同じくペットボトルの大量生産・大量消費を続けることは地球環境に大きな負荷を与える要因となります。一部有名小売チェーンなどを中心にウォータースタンドの設置とマイボトル持参を普及していますが、まだまだ浸透していないのが現状です。
そこでノベルティとしてステンレスボトルを使ってみるのはいかがでしょうか。今後増えていくであろうマイボトル用の給水サービスなども紹介しながら、ステンレスボトルの持参を呼びかける販促活動で、社会貢献を意識した企業の取り組みとして好感度が上がることに繋がりそうです。
新法案で注目の「ストロー・スプーン」
コーヒーショップやコンビニなどで、ストローがプラスチックから紙製に切り替わって久しいですが、2022年4月より「プラスチック新法」に基づく規制によりプラスチックスプーンも有料化の流れとなり、プラスチックごみ削減への取り組みがますます促進されることになります。
バッグのポケットに入るサイズに収納でき、持ち運びに便利なカトラリーセットやストローなど新法案に対応したサステナブルなノベルティは、貰った方に喜ばれ、エシカル消費に積極的な企業姿勢を販促活動を通してアピールするチャンスになります。
消費エネルギーの削減には「季節アイテム」
使用していないお部屋の電気を消す、誰も見ていないテレビを消す、など省エネについては日々の習慣として定着しているかと思いますが、冷暖房をなるべく使わないこともサステナブルな取り組みに繋がります。冷暖房に使用する電気やガスも、元をたどれば石油や天然ガスなどの天然資源を消費することになり環境負荷への要因となります。
熱中症対策として定番になりつつある涼感商品、寒い冬でも快適に過ごせるブランケットなど、季節アイテムを販促品として使用すれば、電気消費量の多いエアコンなどの設定温度を控えめにするエシカル消費を促す活動にも繋げられそうです。
合成樹脂の使用量を削減「天然素材アイテム」
プラスチックの消費削減を目的にした商品を紹介してきましたが、そもそものプラスチック使用量を減らしている商品というのもあります。天然素材である竹繊維=バンブーファイバーを配合した合成樹脂を使っているアイテムを販促品として使えば、プラスチックの製造過程で排出される二酸化炭素の削減に繋がり、環境負荷を軽減する取り組みへの姿勢を分かりやすくアピールすることができます。また植物由来の素材セルロースを使用したキッチンクロスなどもありますので、天然素材を使用したアイテムは販促品としてこれからますます注目されていきそうです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。SDGs、サステナブル、と聞くとなんだか立ち向かう問題が大きく、とてもハードルが高く思えてしまいますが、まずは簡単に始められるところから進めてみませんか。これからますます注目が集まるサステナブルな取り組みに、まずはノベルティで意識を高めることからスタートしてみましょう。社会貢献と企業利益を両立させる、そんな取り組みとしての販促活動で未来に向かって進んでいきたいですよね。
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